メディアのバカ騒ぎ

●手のひら返しの姿勢に違和感あり

 詐欺容疑で逮捕された小室哲哉(49)の報道が「これでもか」と続いている。放蕩(ほうとう)三昧の限りを尽くし、不正をはたらいた小室を弁護、擁護する気は毛頭ないが、この逮捕劇にはおかしなことが多いのも事実だ。

 大阪地検特捜部がマスコミに捜査情報を大量に流しているが、その中で首をひねりたくなるものもある。

 ここにきて小室は、仕手戦の舞台になった企業から年60%の高利の金を借りていたことがわかった。「小室が借りていたのは年利60%どころか年利100%で、闇金融からも借りていた」(マスコミ関係者)という情報もあるほどで、借金先は複数だろう。

 となれば、メディアは違法な高金利で貸していた企業や業者についても調べ上げ、追及するべきではないのか。そもそも一般的には違法な金利でお金を貸した連中が責められるはずだ。

 また、今回の逮捕劇では一部始終をマスコミが追いかけ、小室はさらし者になったが、逮捕前からこれ見よがしに取材したことに問題はなかったのか。これまで散々持ち上げてきたメディアが、手のひら返しでぶっ叩いている姿に違和感があるし、当局のお墨付きをもらって騒いでいる姿は異様だ。

「小室は余罪も考えられるし、書き立てられて当たり前。でも、こんな追い詰められ方をして、小室自身が耐え切れなくなって、万が一のことがあったらどうするのか。この事件の本質は小室と小室に群がった芸能界、音楽界、さらにうさんくさい有象無象の存在で、それを小室にしゃべらせることこそ大切なんです。小室ひとりを悪者にして終わらせるのは、愚の骨頂です」(放送関係者)

 メディアだって事件の本質はわかっているはずだ。そろそろ小室を叩くだけの茶番はやめたらどうか。

日刊ゲンダイ2008年11月7日掲載)

niftyニュースより)