裸の王様!?

 国の出先機関のリストラを目指す麻生太郎首相と、自民党族議員によるバトルが勃発した。首相が地方分権改革推進委員会(委員長・丹羽宇一郎伊藤忠商事会長)に対し、農水省地方農政局国土交通省地方整備局を原則廃止する方向で検討するよう指示したことが発端だが、これに族議員らは「麻生首相は裸の王様だ! 何もわかっちゃいない」と強く反発。対立は先鋭化しそうな気配だ。

 麻生批判の大合唱が起きたのは11日に開かれた自民党国土交通部会。旧建設省OBの脇雅史参院国対副委員長が「出先機関がどれだけ大変な仕事をしているのか、首相も分権委も分かっていない」と批判すると、党の有力支持団体である建設業界などへの悪影響を懸念して「自民党総裁が党の選挙を妨害したら、たまったものではない」というような意見が続出したのだ。


 一方、部会で首相と共に批判された分権委の会合では「素晴らしい判断だ」と評価する声が続出。年内に出す第2次勧告を首相が「直接受け取る」と発言したことについて、西尾勝委員長代理が「自民党に勧告前に内容を説明する必要がないということだ」と、党との対決姿勢を強調してみせた。


 国の出先機関をめぐっては、都道府県との二重行政の弊害が常に指摘されてきた。加えて地方の農政局と整備局では最近、事故米問題へのずさんな対応や道路特定財源の不適切な使用が相次いで表面化している。


 地方分権推進論者である首相としては、行政・分権改革に積極的に取り組むことで、将来の消費税増税に向けた環境整備や支持率アップにつなげたい思惑もありそうだ。


 ただ、「霞が関族議員の抵抗はものすごいものがある。よほど強い指導力がない限り、逆に内閣が潰されるだけ。果たして麻生首相にそれができるか疑問だ」(自民党関係者)との指摘もあり、バトルの行方が注目される
niftyニュースより)