ペットの殺処分

元厚生次官ら連続殺傷事件で、銃刀法違反容疑で逮捕された無職、小泉毅容疑者(46)がペットの犬を保健所に殺された恨みを動機にあげたことについて、ペットの殺処分の根拠となる動物愛護管理法を所管する環境省の斉藤鉄夫大臣は25日の記者会見で、「政治は、いかなる暴力も許さないという強い決意を表明すべきだ。今回の事件で躊躇(ちゅうちょ)することなく、動物愛護管理法の精神にのっとって引き続き執り行いたい」と述べた。また、関連する部署に安全に対しての注意喚起を促したという。

 同法では、飼い主の事情でペットを飼えなくなったり、負傷した犬や猫を見つけた場合、都道府県や政令市の保健所、動物愛護センターなどが引き取らなければならない。

 一方、鑑札や予防接種済票を装着していない犬は野良犬と見なされ、厚生労働省が所管する狂犬病予防法に基づいた扱いとなる。いずれも飼い主に返却されたり、新たな飼い主が現れない限り殺処分される。保健所は、2つの法律に対応している。


 環境省によると、動物愛護管理法が施行された昭和49年度は、約53万3000匹の犬が殺処分された。殺処分された犬の数は平成10年度には25万匹を割り、17年度は8万5000匹まで減り、この30年間で激減している。都市部に野良犬がいなくなったことなどが原因と考えられる。

 小泉容疑者がペットを殺されたと主張する34年前は、ちょうど動物愛護管理法の前身の動物保護管理法が施行されたころにあたる。
(MSN)