家庭でできるウイルス対策

 多数の日本人が海外で活動し、国外との人の交流が盛んなことを考慮すると、新型インフルエンザの国内侵入を水際で完全に食い止めるのは難しい。感染拡大を防ぐには、感染防止の基本である手洗いやうがいの励行、マスクの着用のほか、家から出ないでいられるよう水や食料品を備蓄しておくことが重要だ。

 信憑(しんぴょう)性のない情報やうわさが流れる恐れも指摘され、厚生労働省は、正確な情報を収集して、冷静に対応するよう呼び掛けている。

 政府は新型発生に備えて、家庭で取るべき行動をガイドラインにまとめて公表している。

 それによると、ウイルスは、患者のせきやくしゃみのしぶきを鼻や口から直接吸いこんだり、ウイルスがついたドアノブやテーブルに触れ、その手で目や鼻、口に触れたりすることで体内に侵入、感染する。マスクをすれば、ほかの人に感染させない効果がある。せきやくしゃみなど症状がある人はマスクをして、他人にできるだけ近づかないことが求められる。

 また、病院での二次感染を防ぐため、感染が疑われる症状が出ても慌てて病院に行かず、警戒水準引き上げに伴い保健所などに設けられる予定の相談センターに電話で問い合わせ、その指示に従ってほしいとしている。

 一方、健康な人も不急の外出は控え、やむを得ず外出する際には、混雑した公共交通機関の利用を避ける工夫が必要だ。帰宅後や不特定多数の人が触る物に触れた後は、手洗いとうがいを。マスクをしてもウイルスの吸い込みを完全に防げるという明確な科学的根拠はないため、マスクによる防御を過信せず、症状のある人に近づかない心掛けも大切になる。

 流行時には食料品や生活必需品の流通、物流に影響が出るとみられる。流行前に、長期保存できる乾めんや冷凍食品などの主食・副食類や、マスク、ティッシュペーパーなど日用品、医療品を最低2週間分程度備蓄するよう勧めている。
産経新聞YAHOO!JAPAN)