サモア地震

先日サモアを襲った大規模な地震スマトラやバヌアツ地震も立て続けに起こっていることもあり、生々しい記憶です。サモアは独立王国ですが、司法はニュージーランドが取り締まっているせいか、連日のニュース報道にて被災地の様子が流されています。犠牲者の方々のご冥福をお祈りするとともに、被災地の一日も早い復旧を祈ってやみません。

ところで今回、地震直後に発生した津波の影響で、飼い主とはぐれた犬は3,000頭にものぼるといわれています。 

ニュージーランドMAF(農林水産省)と SPCA の代表が早速現地に飛び、WSPA のコーディネーターとおちあわせて動物たちの救済プランがたてられました。飼い主とはぐれてしまったペットの保護はもちろんなのですが、被災地の約80%が酪農に生計を頼っていたということもあり、経済の復旧も視野に入れての救済活動となりそうです。

津波の被害を免れたペットの犬が、あとかたも無くなった自宅跡でもう決して帰ってくることはない飼い主を待ち続けています。逆に可愛がっていたペットを亡くしてしまったある少女がインタビューで、「お友だちがいっぱいいるところにいるから、心配しなくていいと愛犬が訴えかけてきている」と答えていました。スピリチュアルな繋がりを重んじる、サモアの人々ならではのエピソードです。もちろんそんな風に、飼い主との繋がりが深いペットもたくさんいますが、ほとんどの場合お互いの生活空間に立ち入らない、いわゆる「放し飼い」がサモアの一般的なスタイル。普段は人間の残飯で生活していた犬たちでしたが、現在人間たちは救援物資のみに頼って生きており、残飯が出なくなってしまった今、お腹をすかせた犬たちが島内にあふれています。WSPA は急遽、ニュージーランドMAF や SPCA の協力のもと、それらの犬たちの食糧確保に奔走しています。

サモア沖が震源地という地理的な理由から、今回私たち家族は一応大事をとって「避難」という経験をしました。津波警報が出されていたのです。危険度のレベルは非常に低いものではありましたが、今回そういった災害に対する準備の大切さを認識させられる機会となりました。「マイクロチップが犬たちにはいっていて本当によかった」これが最初の感想です。

地震をはじめ災害が私たちの生活を襲ったとき、報道は被災地の悲惨さを伝えてくれますがその裏側には必ずペットをはじめとした動物の犠牲もあります。今回のサモア地震マイクロチップの普及率はほとんどゼロと言っても間違いはないと思うので、犬たちが元通りの生活に戻ることができるまで時間と支援を要しそうです。

うちは絶対大丈夫、なんて言葉ほど災害に関して頼りにならないものはありません。いざというときに供えて、ペットの防災訓練とマイクロチップ。考えなくてはいけないなと思いました。
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