小笠原のアホウドリ

 環境省は26日、小笠原諸島・聟島(むこじま)で人工飼育した国の特別天然記念物アホウドリ15羽のうち1羽が、米・サンフランシスコ沖で確認されたと発表した。

 昨年度から同島で始まった人工飼育で、巣立ち後、アラスカ以南で確認されたのは初めて。

 アホウドリが見つかったのは、サンフランシスコの南西約80キロの太平洋上。現地時間の今月11日午前、米国の観察グループが、他の海鳥と群れを作って飛んでいるのを目撃した。

 この鳥に付けられた全地球測位システム(GPS)の発信器の記録では、5月22日に聟島を巣立ち、カムチャツカ半島、アラスカ湾を経て、サンフランシスコ沖に到達するまで約2万6000キロを飛んだという。

 野生のアホウドリの場合、繁殖地の伊豆諸島・鳥島尖閣諸島を巣立ち、アラスカ沿岸などで3〜4年過ごしてから繁殖地に戻ることが分かっている。今回のケースについて、同省は「生態を詳しく知る手がかりになる」としている。
(読売新聞、http://news.nifty.com/cs/headline/detail/yomiuri-20091026-01042/1.htm