太陽津波


津波”は太陽にも存在する。11月19日に発表された報告によると、太陽全体に波及する巨大な波が初めて3次元画像で撮影されたという。事の発端は1996年、太陽表面に津波のように広がる波紋現象が衛星画像でとらえられ(写真)、太陽物理学者の間で“太陽津波(solar tsunami)”として大きな話題を集めた。しかし多くの専門家は懐疑的で、そのように大規模な現象が実際に存在するとは考えなかった。「ある種の影がそう見えるだけで、本当の波ではない」と判断したのである。

 この論争に決着がつく日がついに訪れた。2009年2月、NASAの双子の太陽観測衛星STEREO(Solar Terrestrial Relations Observatory)が、黒点爆発を引き金にして発生した太陽津波の姿を3次元画像でとらえたのだ。押し寄せる巨大な波は10万キロ以上の高度にまで達し、時速90万キロ以上で駆け抜けるように広がっていった。内包するエネルギー量はTNT換算で2400メガトンもあったという。

National Geographic News

http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/ng-20091126-2009112603/1.htm