心も一緒に包もう

 1枚の布が地球を救う―。スーパーのレジ袋が有料になり、マイバッグは私たちの日常生活で必需品になった。そんな中、見直されているのが、さまざまな形の物を美しく包む風呂敷だ。
 「エコの原点が風呂敷。1枚の布が環境を変える」と強調するのは、10年以上前から風呂敷の普及に取り組む那覇市古島の「いろは会」代表取締役でマナーコーディネーターの上間弘子さん(62)。作法を習ぶ中、日本の「包む文化」に感銘を受けた。物を運ぶときはすべて風呂敷を使うという上間さんは、商品の納入も段ボールを使用せず風呂敷を使う。包む物に合わせて風呂敷のサイズを変え、包み方をアレンジすることで何でも包めるそうだ。
 風呂敷のバリエーションはさまざま。上間さんは90センチ×90センチなどの大判サイズをお勧めする。ワイン2本を一緒に包んだり、本を包んでかばんのように持ち歩くこともできる。エコバッグにも変身する。
 また、上間さんは風呂敷の多用な使い方を提案。季節の柄は壁掛けなどのインテリアに、大判サイズはテーブルクロスにもなり、アイデア次第で多彩に活用できる。上間さんは「包むときに心も一緒に包む。風呂敷の素晴らしさを後世に伝えていきたい。簡単なのでぜひ楽しんでほしい」と日々の暮らしの中での風呂敷の活用を呼び掛けている。
 日本人の知恵が詰まった風呂敷は、地球環境も優しく包む。
文・豊浜由紀子

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