緊張の瞬間が今年も到来!

春の気配とともに迫ってくる人事異動。「上司に恨まれへき地への転勤を命じられた」、「同じ部署の後輩に、“荷物は後でいいから、一刻も早く支店へ異動しろ”という辞令が出た」など、自分や周りの社員に起こった、人事異動をめぐる悲劇について聞いてみた。
「失敗は成功のもと」のはずが…
「技術スタッフが社長とクライアントの前で実験して失敗。次の日、営業にとばされた」(男性/30歳/大阪府)。社長の気持ちもわかるが、失敗の許されない環境では社員も技術も育たない。「転勤した3週間後、社長から“なんでお前がそこにいるんだ! すぐに戻れ”と、再び異動させられた上司。最初の辞令を出したのも社長なのに」(女性/28歳/東京都)。破天荒なワンマン経営が成功する場合もあるが、指示に従う社員の身がいつまで持つかが問題だ。「新社長に嫌われた50代の部長が、課長に降格。その上、無理難題を出され自主退職していった」(女性/33歳/神奈川県)。蛇ににらまれた長老のカエルには、もはや打つ手は残っていなかったようだ。

花婿失踪(しっそう)の危機!?
「新郎の上司が結婚式でスピーチしたとき“今後もこの部署のホープとして頑張ってほしい”と言っていたのに1カ月後、異動が決定」(男性/32歳/奈良県)。会社の事情もあるにせよ、辞令が出た瞬間この上司は部下全員の信頼を失ったに違いない。「東京にあこがれの一軒家を建てた上司。その直後、大分へ異動になった」(女性/25歳/茨城県)。今回、目立ったのが“新居を手に入れると、遠方へ転勤させられる”という事実。安定した収入を得られるようになった働き盛りの社員に対し、大きな期待をした上での辞令なのか、はたまた上層部のねたみなのかは不明である。

どうか、私にも辞令を
「セクハラ発言を連発する他部署の上司が、直属の上司になった」(女性/26歳/愛知県)。毎日8時間も、モラルのない上司と仕事をする状況は考えただけで生き地獄である。「転勤が決定したから引っ越しの準備をしたのに突然、中止」(女性/26歳/神奈川県)。せっかく“心機一転、新しい土地で…”と腹をくくったのに、これでは仕事に対するモチベーションも下がる。

会社の生き残りを賭け、強引な人事異動を決行せざるを得ない場合もある。しかし、そこに筋の通った意思がなければ、結局“つぎはぎ”だらけの弱い組織になってしまい、いずれ成立しなくなるだろう。

(MSN求人、http://career.jp.msn.com/article2/enquete/016.htm