生産量は足りてる説も… 食料危機はホントに来るの?

今はクロマニヨンズやってる2人が在籍してた某バンドが“48億の個人的な憂鬱”と歌ってから、まもなく四半世紀。世界人口は70億人に迫っている。昨年、FAO(国連食糧農業機関)は世界の栄養不足人口が10億人を超えたと発表した。いつまで経っても『アフリカの飢えた子どもたち』が飢えたままなのは、人口がどんどん増加してるから?

「まず“飢餓”とは何かを考える必要があります。“貧困”もそうですが、欧米の基準を単純にあてはめ、“飢餓”で“貧困”だと断ずる傾向が国連機関などの発表には見られる。栄養不足人口が世界で8番目に多いとされるタンザニアの場合でも、政府による食料自給率の発表を見る限り、生産は十分に達成されています。流通インフラの整備の遅れから、自然災害などで局地的に栄養状態が悪化することはあっても、大規模な餓死者の発生という話など、ここ10年まず聞いたことがない」

そう語るのは、途上国支援のため1年の半分をタンザニアなどで過ごす立教大学講師の佐々木亮さん。

「特にサハラ以南の多くのアフリカ諸国では、農業分野の統計を正確に取ること自体が未だに大きな課題。そんな状況で、国際機関などが栄養不足人口をどう算出しているのかは確かめたほうがいいでしょう(苦笑)」(同)

FAO以外でも、複数の国連機関が存在感をアピールするためセンセーショナルな発表を行うこともままあるという。だが、数字の把握法に問題はあったとしても、人口増加そのものが幻想というわけではない。

「2050年には90億人を突破するという予測もあります。地球の総人口をまかなえる食料がある現在でさえ、それが偏在しているため、市場価格の高騰などで食料危機は簡単に起きてしまう。近年、先進国のあいだでは、ロシアやアフリカ諸国、南米などで広大な農業用地を買い付け、食料を確保しようとする動きが進んでいますよ」(同)

うむむ。畑を買うために貯金でもはじめたほうがいいかもなあ…。
(及川 望)
R25編集部)

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