パリス・ヒルトン ついに実刑か!


 「1回やったら虜(とりこ)になるドラッグ」−。ヒルトンホテル創業者一族の令嬢がバッグにしのばせていたのは、中毒性が高い薬物、コカインだった。米タレントのパリス・ヒルトン被告(29)はラスベガス市内で、交際相手の車に乗っているところを警察に呼び止められ、コカイン所持の疑いで逮捕された。派手な私生活と度重なる裁判沙汰(ざた)で、ゴシップ誌の常連だった“お騒がせセレブ”。コカイン所持は重罪のために、現地報道は、今回は刑務所行きの可能性があると報じている。(佐々木 正明)

 ヒルトン被告は逃亡の恐れがないなどとして逮捕翌日に釈放されたが、地元検察当局はすぐに同罪で起訴した。

 8月27日、金曜日の夜。現地の報道によると、ヒルトン被告は、親密な交際がうわさされていたラスベガスのナイトクラブ経営者の高級SUV車の中にいた。

 移動中、自転車に乗った制服警察官に呼び止められた。車の中から、マリフアナのにおいがしたため、停車を命じられた。言動がおかしかったナイトクラブ経営者は、薬物を使用して運転していた容疑で逮捕された。

 周りにはすぐに人だかりができた。警察官に調べられているのがヒルトン被告だとわかったからだ。やじ馬たちがは携帯電話などで写真を撮った。ヒルトン被告は「ひどく動揺していた」という。

 ヒルトン被告はトイレに行くために警察官に付き添われ、ホテルまで出向いた。ロビーでハンドバッグからリップクリームを取り出したが、その際、バッグから透明な袋が落ちたという。

 この袋の中に、使用回数で言うと、十数回分にあたるコカイン0・8グラムが入っていた。バッグの中からは、他にもマリフアナたばこを吸引する際に使われる特別仕様の巻き紙などが見つかった。

 警察官がヒルトン被告に尋ねると、「(この袋は)チューインガム」「ハンドバッグは今日の服装に似合わなかったので、友人から借りた」などと述べた。

 米CBSなどによれば、ヒルトン被告は事件発覚後、親しい友人に電話をかけ、「コカインがバッグにあったなんて何のことかわからない。心に誓って言うわ」と弁明していたという。ヒルトン被告は自分に向けられた嫌疑について、心配しているそぶりは見せなかったとも伝えられている。

 ヒルトン被告の新たなネタに、米メディアは飛びついた。ヒルトン被告の顧問弁護士は過熱報道をいさめるように、「2人は無実。事実が彼らの潔白を証明するだろう」と述べた。さらに声明文にはこのように記されていた。

 「この問題は、メディアで裁かれるのではなく、法廷で審理される。人々には真実が、法に基づき判明するまで、性急な判断をしないよう求めたい」

 ヒルトン被告は、7月にも仏領コルシカ島で、大麻を所持していたとして警察に一時、拘束されている。サッカー・ワールドカップ(W杯)の観戦で訪れていた南アフリカでは、一緒にいた友人が大麻を持っていたことで、取り調べを受けた。薬物疑惑は、常につきまとった。

 さらには、2007年に、飲酒運転にからむ罪で禁固刑の有罪を受け、ロサンゼルス郊外の刑務所に服役したこともある。

 米メディアは今回の事件の担当検察官が、かつて、元プロバスケットボール選手のO・J・シンプソン受刑者を強盗事件で刑務所に追いやった人物であることを突き止め、「セレブには容赦のない検察官」とも報じている。

 コカイン所持で有罪となれば、最大で禁固4年が言い渡される可能性がある。裁判は10月にも開かれる見込みで、その際には、再び、ゴシップ誌の報道合戦が繰り広げられるのは間違いない。

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/world/america/100904/amr1009041201010-n1.htm