健康に関する12の通説を検証

一日リンゴ一個で医者いらずとか、ガムを飲み込んだら体内から出るまで7年かかるとか、よく耳にしますが、本当なのでしょうか? 「Real Simple」では、このような健康に関する12の通説を検証しています。





1:パンの耳にはビタミンがたくさん含まれているので、食べた方がいい

2002年にドイツで行われた研究によってわかったことがあります。それは、パンを焼き上げるプロセスで、がん細胞と戦う抗酸化物質が生まれるということです。そして、それがパンの耳の部分には、その他の部分の8倍含まれています。しかし、耳を残すかどうかより大事なことは、普通の食パンより栄養価の高い、全粒粉のパンを選ぶことだそうです。







2:髪が濡れたまま外気に触れると風邪をひく

確かに濡れ髪で外に出ると、頭がスースーしますよね。でも、それだけが原因で風邪をひくことはないのだそうです。イギリスで、髪の毛を濡らさないグループと濡らしたグループで、風邪を引きやすいかどうかの実験をしたところ、差は出ませんでした。ということで、頭が濡れているというだけでは、風邪はひかないようです。







3:寄り目をしていると、そういう目になってしまう

眼科医によると、ふざけて寄り目ばかりしていて、完全に寄り目になってしまうことはないとのことです。ただ、子供がよく寄り目をしているのであれば、ふざけているだけではなく、その他に目の問題がないか、チェックする必要があるそうですよ。







4:風邪をひいたら食べた方がよくて、熱があるときには食べない方がいい

風邪でも発熱でも、食べて水分をとることが大切で、特に水分は重要です。ちなみに、よく、熱があったら、ポカリなどの電解質の飲み物を飲んだ方がいいといいますが、嘔吐や下痢などで体内の水分がたくさん出てしまったとき以外は、普通の水でも十分だそうです。







5:ガムを飲み込んだら体内に7年とどまる

実際のところ、そんなに長くはかからないようです。小児科医によると、子供が誤飲してしまうような異物は、たいてい数日で体外に出るそうです。







6:一日一個のリンゴで医者いらず

確かにリンゴは栄養価が高く、いろいろな病気を防ぐ働きがありますが、リンゴよりもっといいものがありました。それは、ブルーベリーです。ブルーベリーには、抗酸化物質、食物繊維がたくさん含まれています。毎日手の平いっぱいぐらいのブルーベリーを、シリアルやヨーグルトに混ぜて食べれば、心臓病、高血圧、糖尿病の予防になりますよ。







7:人間は身体の熱の75%を頭から逃がしている

この数値がどこから出てきたか想像すると、おそらく赤ちゃんの頭と身体の割合からでしょう。大人の場合では、75%ではなく10%程度だそうです。ちなみに、身体の熱は、頭だけでなく皮膚がむき出しになっている、手足や襟元からも逃げていくので、寒い季節には頭だけでなく、マフラーや手袋で皮膚を覆いましょう。







8:しゃっくりが止まらないときには、びっくりさせてもらうといい

しゃっくりに関してはこの他、息を止める、上を向いて水を飲む、などといった方法についても、医学的な効果は証明されていません。ひとつ、20人中19人のしゃっくりが止まったという方法を紹介すると、それはグラニュー糖を小さじ一杯飲み込むというものです。今度しゃっくりが止まらなかったら、試してみてくださいね。







9:魚を食べると頭が良くなる

DHAは脳の発達にいい働きをするので、これは3、4歳までの子供には当てはまるようです。毎日DHAのサプリを与えられた、4歳児の語彙力と理解力は向上したというデータもあります。大人ではむしろ、心血管疾患の予防として魚を食べた方がよさそうですね。







10:食後1時間は泳がない方がいい

食後は血流が筋肉から消化器系に移動するので、食後すぐに運動するとおなかが痛くなる、という説が生まれたのかもしれませんが、医学的な裏付けはないそうです。食後は泳ぐエネルギーが低いと感じるかもしれませんが、避けなければいけないほどではない、とのことです。







11:すべての子供はマルチビタミンを摂取しなければならない

最初の一年を母乳で育てられた子供は、十分にビタミンDを摂取できているので、その後マルチビタミンを飲まなければいけない、ということはないそうです。でも、好き嫌いのある子供には、ビタミン剤を飲ませて安心したいのが親心ですよね。それはもちろんいいのですが、飲ませなければいけない、というわけではないそうです。







12:温かい牛乳を飲むと眠りにつきやすい

牛乳には少量のトリプトファンという、アミノ酸の一種が含まれています。これは、七面鳥にも入っているもので、眠気を誘うものではあるのですが、眠くなるために牛乳を飲むとしたら、バケツいっぱいぐらいの量が必要になってきます。温かい牛乳を飲んで眠くなるのだとしたら、それはプラシーボ効果だと、アリゾナの心理学者は言っているので、気持ちの問題のようです。





The truth about 12 health myths [cnn.com via RealSimple.com]

(山内純子)

(MSNトピックス、ライフハッカー日本版、http://topics.jp.msn.com/digital/lifehacker/column.aspx?articleid=411290