ブエナビスタ、世界的名牝へ


 最後の直線に入ると、スミヨン騎手がゴーサインを出した。ブエナビスタは瞬く間に後続との差を広げる。余裕ある勝っぷりで牝馬15頭目の“盾”制覇。最近3走で「一番よかった」と仕上げに自信を持っていた松田博調教師も「強かったね」と舌を巻いた。

 ここまで14戦して4着以下が一度もない。だが、今回はそれだけではなかったはず。落馬負傷した主戦の横山典に代わって騎乗したスミヨンの存在も大きかった。

 フランスのトップ騎手で、一昨年の凱旋門賞では3歳牝馬ザルカヴァを7戦無敗で優勝に導いた。研究熱心で知られ、ブエナビスタもDVDなどで研究。2着以下に敗れたレースは後方からの展開が多いと分析し、今回は中団の内側に位置取りし追走させた。「馬が出るところを分かっていた」と謙遜したが、潜在能力を引き出した騎乗ぶりが光った。

 次走はジャパンカップ(JC、11月28日)を予定。「年度代表馬を狙っていきたい」という調教師。スミヨンも「JC、有馬記念と勝てば、ザルカヴァ以上に強くなると思う」と世界的名牝へ期待を膨らませた。(松本恵司)

(MSN産経ニュース、http://sankei.jp.msn.com/sports/race/101031/rac1010311858001-n1.htm