頻発する中国の幼児売買事件

2009年4月20日、ドイツの国際放送局「ドイチェ・ヴェレ」は、中国広東省で幼児の誘拐・売買事件が頻発し、いっこうに減少する兆しがみられないことの原因などについて報道した。

報道によると、珠江デルタの人口密集地区では数千人の幼児、特に男の子が行方不明になっている。幼児の一部は海外に売られていくが、ほとんどは男の子に恵まれなかった中国国内の家庭に買い取られ、育てられているという。関係者は「特に南方の農村地区での需要が高い。男尊女卑の伝統と一人っ子政策の影響で男児売買ビジネスが盛んになっている」と説明する。

報道では、犯罪が減らない理由として、まず警察側の問題点を挙げている。例えば、被害家庭は大部分が出稼ぎ労働者層であり、彼らを重視しない地元警察は、親身になって取り組まないことが多い。また特に政治的に影響のある事件で無い限り、解決したとしても大きな功績にならないことなど、犯罪撲滅への姿勢や制度が不十分だとしている。

次に、なぜか政府も腰が重いと指摘する。深センの商業界関係者が、幼児失踪事件解決のための基金を設立しようとして2年前に深セン市政府に申請したものの未だに承認されていない。さらに、深センの政界関係者である楊建昌(ヤン・ジエンチャン)氏は、中央政府にも毎月事態の深刻さを記した手紙を送っているが、全くの無反応だいう。

また、昨年10月には被害家庭約40戸が北京へ出向き、国営テレビ局前で被害者救済を求めるデモを行ったところ、数十人の警察官が現場に駆けつけた。現場にいたデモ参加者の話によると、警察は「被害家族の髪の毛をつかんで引きずった上、『まだ政府を責める気か?』と威嚇し追い払った」という。
(翻訳・編集/HA)
(Record China、nifty