神待ちサイト乱立

 「神様急募〜!」−。インターネット上で、家出中の少女らが情報交換をする「家出サイト」が乱立している。泊まる場所や食事を提供してくれる男性を募集することから「神待ちサイト」とも呼ばれるが、泊めた見返りとして少女に肉体関係を迫った男が警視庁に逮捕されるなど、犯罪の温床になっているとの声は根強い。捜査当局も警戒を強めており、サイトのあり方をめぐって議論を呼びそうだ。(滝口亜希)

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 ■中身は出会い系


 「ネットカフェでおなか空かせて待ってます(涙) 神様いましたらぜひとも、お願いします」


 「今時間ある人いたら、ご飯とかお願いします」


 ネット上に次々と現れる神待ちサイトには、こんな書き込みが並ぶ。家に泊めてくれる人や食事をおごってくれる人を探す内容がほとんどだが、「おさわりとか大丈夫」「いろいろできます」などと性行為を連想させる書き込みもある。


 ネット事情に詳しい評論家の鈴木淳史さんは、「中身は出会い系サイトと変わらない」と指摘する。鈴木さんによると、平成15年の出会い系サイト規制法施行に伴い、こうした非出会い系サイトを“代用”する男女が増えたのだという。


 「泊めてくれる人を『神』と表現し、男性側にも『家出している子を助ける』という意識があるなど神待ちサイトには全体的に芝居っぽさがあり、行為を正当化している節がある」と鈴木さんは分析する。


 ■警視庁が男逮捕


 中高生がこうしたサイトを利用し、犯罪に巻き込まれるケースもある。


 家に泊めた女子中学生にわいせつな行為をしたとして、警視庁は今月15日、児童買春・児童ポルノ禁止法違反の疑いで会社員、高麗(こうま)慶一容疑者(31)を逮捕した。


 警視庁によると、中学生が4月に家出サイトに「泊めてくれる人募集」という書き込みをしたところ、高麗容疑者が連絡。中学生は「13歳でもいいですか」と年齢を明かしたが、高麗容疑者は「その代わりエッチもありだぞ」と返信したという。中学生は高麗容疑者宅を出た後も、同サイトで知り合った横浜市や都内の男の家を転々としていた。


 警察庁の統計では、20年に非出会い系サイトで被害に遭った18歳未満の児童は、出会い系サイトの724人を上回る792人。


 警視庁は、犯罪につながる可能性のある書き込みについては管理者に削除を要請し、管理者が応じないなど悪質な場合には、通信事業者に契約解除などの対応を求めていく構えだ。
産経新聞http://news.nifty.com/cs/headline/detail/sankei-m20091021008/1.htm