まるでヒーロー!


銀行から1160万ユーロ(約16億円)を盗み、11日間の逃走の後に逮捕されたフランス人男性が“国民的英雄”になりつつある。刑務所内の彼のもとには、複数の女性から結婚の申し込みもきているという。23日、AFP通信が報じた。

注目を集めているのは、スウェーデン系警備会社で運転手をしていたトニ・ムスラン(Toni Musulin)被告(39)。同被告は5日、フランス中部のリオンで現金を輸送中に、同僚2人が離れた隙をついて車ごと逃走。なかには、フランス中央銀行から積み込んだ現金およそ1160万ユーロが入っていた。その2日後900万ユーロ以上がリオンの地下駐車場で発見され、11日後に同被告が逮捕された。しかし残り約250万ユーロの行方について、同被告は供述を拒否している。

この事件が報道されてからSNS「フェイス・ブック(Facebook)」には、同被告に関する数多くのトピックが立ち上げられた。そのなかのひとつ「トニ・ムスランを大統領に」には「1160万ユーロできっと経済危機を解決してくれる」などが、また「トニ・ムスラン・ファンクラブ」には「武器不使用、非暴力による英雄」などの意見が書き込まれ、まるで“ヒーロー”のように扱われている。

さらに、同被告の弁護士によると「彼のもとには複数の女性から結婚の申し込みがきている。Tシャツに彼の写真をプリントしたいなどの問い合わせもある」という。また、同被告の様子については「彼は、我々が持つ“泥棒”のイメージとはかけ離れている。とてもユーモアのある、面白い男性だ」などと話している。

どれだけユーモアがあり、お金持ちだとしても、相手は刑務所のなかである。理想の結婚相手とは言い難いと思うのだが。

(MSNトピックス、http://topics.jp.msn.com/life/column.aspx?articleid=180679