とうとう公明党に見捨てられた自民党

みんなの党や新党に活路も…

 自民党がとうとう公明党に見捨てられた。野党共闘は空中分解。この調子では、来年夏の参院選まで党が存続するかどうかも分からなくなってきた。

 公明党山口那津男代表は、26日の党中央幹事会で「中小企業の方々の期待感がある。賛成の方向で取り組んでいきたい」と、返済猶予法案に参院で賛成する姿勢を見せたのだ。衆院の採決では自民党と仲良く退席したくせに、参院の採決では自民党を見限って民主党にすり寄る。自民党は27日再び審議拒否に入ったが、公明は出席だ。自公は10年以上連れ添ったものの、このあたりでお別れというわけだ。

「宗教だけで組織を束ねるのには限界がある。公明党が支持者をつなぎ留めるには、福祉と平和の党是を前面に出し、その実現を第一に考えて与党第1党と手を組むというスタンスを取らざるを得ないのです。幸いにして、自公政権の中心に座っていた太田代表―北側幹事長コンビも落選。温和なイメージの山口代表は、福祉と平和の看板にふさわしい。是々非々を装いながら、徐々に民主党に接近し、早い段階で与党入りする作戦です」(政界関係者)

 こうなると困るのが自民党だ。党再生の基本理念を策定中で、党名の変更まで考えているようだが、名前どころか存在そのものがピンチである。政治評論家の有馬晴海氏が言う。

自民党選挙対策委員長だった古賀誠さんは昨年、自民党の存続に危機感を抱き、公明党との選挙協力を見直すべきだと言い出しました。その悪い予感が的中した格好です。いまの自民党公明党に見切られるとアウト。公明党との距離に嫌気して離れた古くからの自民党支持者は今さら戻らないし、公明票はそっくり減る。それでも当選できる議員は一握りです。みんなの党に接近したり、新党を立ち上げたりと議員がバラバラになった結果、自民党は壊滅するのです」

 谷垣総裁のケガは癒えても、党の命運は尽きるのだ。

日刊ゲンダイ2009年11月27日掲載)

http://news.nifty.com/cs/headline/detail/gendai-02043794/1.htm