睡眠中に愛妻を誤殺

睡眠中に妻を殺害した事件の裁判で、イギリスの59歳男性に無罪評決が出された。事件が発生したのは2008年7月、男性と妻がキャンピングカーで旅行中の出来事だった。

二人は幼なじみで約40年間連れ添ってきたおしどり夫婦。しかし、旅先で夜半に悪夢を見た男性が、妻を手で絞め殺してしまったという。翌朝目を覚ました男性は妻の異変に気づき警察に通報。侵入者と闘っている夢を見ていたら誤って妻を殺してしまったと説明した。男性はすぐに逮捕、起訴され、裁判が開かれることとなった。

裁判では事件当時の男性の精神状態が争点となった。睡眠の専門家が出廷し、男性の行為は自動症という睡眠障害によるもので、事件当時男性の大脳は身体の行動を制御できない状態にあったとの分析結果を発表。検察側もこれ以上の訴追を断念したという。その後男性には「法律上、本件についての過失責任はない」とする無罪評決が出され、結審した。

自分自身を制御できない状態で起きた悲劇…。無罪は証明されたものの、男性の自責の念は想像を絶するものがあるだろう。一方、睡眠中の自分が事件を起こすということが、映画やドラマの中だけでなく、実際に起こりうると考えると空恐ろしくもある。

(やながわ)

ココログニュース、http://news.nifty.com/cs/world/worldalldetail/cocolog-20091130-wo-0911270936/1.htm