15歳高木美帆、五輪当確


 スピードスケート・バンクーバー冬季五輪代表選考会第2日(29日、長野市エムウエーブ)女子1000メートルで、高木美帆(15)=北海道・幕別札内中=が1分17秒77の日本中学記録をマークし、堂々の3位に食い込んだ。同じく3位に入った前日の3000メートルに続く表彰台。スピードスケート(ショートトラックを除く)では史上初の中学生五輪代表選出が確実になった。

 会場がどよめく。そして、大きな拍手。電光掲示板を見上げた高木も一瞬、大きな瞳を見開いた。そしてすぐさま、真っ赤なほっぺいっぱいに笑みを浮かべた。

 「こんなタイムが出るとは思ってなかった。今までの1000メートルで一番よかったかも。やばいな〜みたいな。すごいビックリな感じです」

 無邪気な中学生も、リンクではW杯の常連にも負けない選手に変貌(へんぼう)した。最初の200メートルを自己最速の18秒87で通過すると、次の1周(400メートル)は28秒92、最後は25人中トップの29秒98で駆け抜けた。自己ベストの1分17秒77でゴール。代表内定組の吉井小百合日本電産サンキョー)と小平奈緒相沢病院)に次ぐ、堂々の3位に食い込んだ。

 4位と敗れた38歳の岡崎朋美(富士急)も「子供にお母さんが負けた感じ。15歳に刺激を受けるのもどうかと思うけど、素晴らしい」と舌を巻く滑り。指導する十勝中体連クラブの桜井知克士コーチは「小学校のころからけた違いだった」と抜群の素質を指摘する。現在は5歳で始めたスケートと小2からのサッカーを両立するが、昨年12月にはサッカーの北海道選抜として全国の有望選手が集まる合宿に参加したほどの腕前だ。

 3000メートルに続いて連日の表彰台。日本スケート連盟鈴木恵一スピード強化部長は五輪代表入りについて「基準は完璧(かんぺき)にクリアしている。1歩近づいたと考えていい」と合格を示唆した。女子で「10」の出場選手枠があり、複数種目で結果を残したことで、スピードスケート史上最年少での五輪出場にさらに近づいた格好だ。

 「(五輪は)すごい大きいものだと思うけど、自分が出せるものは出して後悔しないようにやりたい」と高木。ヒップホップを踊ることが大好きな15歳が、大仕事を成し遂げ、バンクーバー切符を手中にした。次は初舞台で旋風を巻き起こす番だ。(恵濃大輔)

MSN産経ニュースhttp://sankei.jp.msn.com/sports/other/091230/oth0912300713001-n1.htm