ゲゲゲ支えた松下奈緒

 NHK連続テレビ小説ゲゲゲの女房」が25日、最終回を迎えた。視聴率不振が続く最近の朝ドラで20%台を連発する大健闘を見せたが、ヒロイン役の松下奈緒(25)の貢献度は大きい。身長174センチの才媛が陰で支えた“4つの功績”とは−。

(1)視聴率をどん底から引き上げた

 ドラマは、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の生みの親、水木しげるさんの妻・武良布枝(むら・ぬのえ)さんの自伝が原案。

 楽天的で働き者のヒロイン・布美枝(松下)が「水木しげる」こと夫の漫画家、村井茂(向井理)を支える姿を描いた。どん底の貧しい生活でも、懸命に生きる昭和の夫婦。「そのサクセスストーリーが、先の見えない“デフレ貧乏”の現代人に響いた」(放送作家)と見る向きも。

 朝ドラを従来の時間帯から15分繰り上げた午前8時枠に移して放送したことも奏功した。視聴率は、告知不足の初回(3月29日)こそ朝ドラ史上ワーストの14・8%だったが、以後は右肩上がり。今月4日には22・2%をマークした。松下本人も「8時になってからの初代ヒロインという役割をこれで無事終えることができる」と胸をなで下ろした。

(2)“無言のセリフ”にも気持ちを乗せた

 脚本の山本むつみ氏は「夫、家族、子供と一緒に暮らすことの喜びを書くことを最後まで考えました。布美枝ちゃんへの共感でしょう。今までの朝ドラは、自分ではできない−という、あこがれのヒロインが多かった」とドラマづくりの内幕を明かす。そして、松下の演技を高く評価した。

 「台本でセリフを『…』と書いた無言のシーンで、思いを乗せる演技が回を重ねるごとによくなってきましたね」(山本さん)

(3)ピアニストの豊かな感性が光った

 「松下さんって、ピアノも弾けるんですね」

 全国区になってから、“ゲゲゲファン”に的外れな声をかけられることもあるらしい。元は東京音大を卒業したレッキとしたピアニストだ。

 ドラマデビュー作となった2004年の「仔犬のワルツ」(日本テレビ系)では、ピアニスト役で出演。演奏シーンも吹き替え無しでこなした。

 朝ドラデビューも実は、演技よりも音楽が先。貫地谷しほり(24)主演の「ちりとてちん」(07年)ではオープニングテーマの作曲、演奏を担当。5枚のアルバムを発表している。「音楽で培った感性の豊かさが、ふとした表情に表れるのも魅力」(NHK関係者)だ。

 最終回翌日の26日には、NHK総合「MUSIC JAPAN」(午後6時10分)にアーティストとして出演する。

(4)紅白司会が有力視される機転の良さ

 今年8月にはNHK「思い出のメロディー」の司会に抜擢。ソツのないトークが好評を博し、本家の「紅白」の紅組司会者候補として名前が浮上している。

 そこで気になるのが、相手の白組司会者だ。一昨年、昨年は2年連続でSMAP中居正広(38)が務め、今年も有力候補に。

 「170センチに足りないのでは?」(女性誌デスク)といわれる中居と、174センチの松下との身長差がネックだが、「バラエティーが得意な中居なら、逆手にとって笑いに変えるかもしれない」(NHK関係者)とも。

 週明けに発表される最終回の視聴率次第で、NHKは、夫役で身長182センチの向井理(28)と“夫婦司会”の「ゲゲゲの紅白」をぶち上げかねない勢いだ。

MSN産経ニュースhttp://sankei.jp.msn.com/entertainments/entertainers/100925/tnr1009252106007-n1.htm